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 どこか間延びしたチャイムが校内に響き渡る。同時に、辺りをがやがやと騒々しさが包み込んだ。
「菜花、今日どうする?どっか寄ってく?」
 右斜め後ろの席から話しかけられる。
「そうだなぁ…」
 どうしようかと考えをめぐらせた瞬間、鞄の中の携帯電話ぶるぶるっと振動した。
「…あー、ごめん。今日はちょっと用事ができちゃった」
「なになにデート?」
「バイトだよ、バイト」
 お決まりの茶々を入れてくる友達をあしらう。
「それじゃあ、バイバイ」
 手を振って教室を出た。廊下を進み、階段を下りて、校門を通り抜ける。そのまま何事もなく歩いて、一つ角を曲がったところで、 速足になる。そして駆け足になり、走って走って、もう一つ曲がって足を止めた。目の前に黒塗りの車が一台停まっている。 無言で開いたそのドアをくぐって、私は迷うことなく車中に乗り込んだ。黒服サングラスの運転手が、すっと車を発進させる。 これから最寄りの中継基地に向かい、そこから地下に下り戦場へと向かうのだ。
 結局、私はねずイエローを引き受けた。
 あれから一カ月。だいたい週に一回ほどのペースで呼び出しを受け、こうして出動するのももう四回目になる。最近では、 ようやく色々と慣れてきた。怖がらずにレッドと会話できるようになったし、ピンクとはプライベートな会話も少しするようになった。 ブルーとの仲に進展はない。山田太郎に関しては、一体どこまで国の中枢とつながっているんだろうとか、基地の管理やら何やらの お金はどこから調達しているんだろうとか、黒服サングラスの人たちはねずみ耳を付けていないけれどやっぱりねず公星の人なんだろう かとか、色々と突っ込みどころ、もとい疑問が顔を合わせる度に湧き出てくるような状況ではあるが。
 とりあえずは相変わらずの日々で、今日も私は、元気に日本の平和を守っている。






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